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Messageメッセージ

外科学講座(統合外科)の
使命は
若手外科の育成です

これまでのナンバー外科を廃し、臓器別に集約し統合外科とする動きは、人口減少が続く現在の日 本で一つの潮流でもあり、当学も 2020 年より統合に向けて始動致しました。大講座制とすることで 組織がコンパクトになり、複数の異なる臓器の外科治療が必要な患者にも臨機応変に対応することが 可能となります。高知県の医療を担う医学生や若手医師に外科の『やりがい』と『やすらぎ』を伝え、 外科全体で良質な外科医を育成していく事が統合の最大の目的であります。これまで古き良き外科の 世界で活躍されてこられた X 世代(1964 〜 80 年生まれ)の外科医と、その中間となる Y 世代(1981 〜 94 年生まれ)、Z 世代(1995 〜 2012 年生まれ)の外科医が融合し、互いをリスペクトしながら 幸せに共存できる組織を構築していきます。
既成概念にとらわれない考え方や価値観を持っている世代は、効率性を重視し、成果を出すことを 重視します。新専門医制度や働き方改革への対応、そして施設の集約化など、外科医を取り巻く環境 には多くの課題があります。社会の急速な変化に伴って価値観も変わりつつあります。効率性を重視 するといわれる、生まれたときからネットサービスが普及している Z 世代(neo-digital…native)に我々 X 世代が今後の組織構築をする上でも教えを請うことが実は多いかもしれません。

Feature当科の特徴

  • 豊富な経験と
    確かな技術に裏打ちされた
    安全性の高い手術を提供
  • 若手外科医の数育と
    良質な指導育成を通して
    国民の健康、福祉に貢献
  • 「やりがい」と
    「やすらぎ」を感じられる
    「高知家」外科ファミリー

Training program研修プログラム

高知家外科専門
研修プログラムの紹介

高知家外科専門研修プログラムは、「All高知で新世代の外科医を育成する」を合言葉に結成された、文字通り高知県内の外科施設が結集して構成されたプログラムです。高知大学を基幹施設として、高知医療センター、高知赤十字病院、近森病院など、単独でも基幹施設になりうるHigh_volume_centerと、一般外科、地域治療を経験する施設など、地域枠出身者の償還勤務にも対応できる、多彩な選択肢を提供する体制となっています。約60人の指導医と6000件の(NCD登録された)手術件数を要しており、年間10名を上限に新規応募者を採用しています。
外科の専門医制度は3階建構造となっており、本プログラムでは1階部分に相当する外科専門医を取得するための修練を行います。2階部分に相当するサブスペシャリティ領域の専門医資格を取得するための、重要な修練期間になりますので、ここで外科医としての土台を身につけるために、様々な経験を積んでもらいます。手術経験数350例以上、術者として120例以上などの要件は、従来の日本外科学会専門医制度と同様ですが、医療安全、感染対策、医療倫理の講習会受講などが必須となっています。本プログラムを修了すると、筆記試験を受けることができます。
これまで1〜8人/年の応募者を採用してきました。また2018〜2019年度の専攻医4名は、全員外科専門医試験に合格、認定されています。自分たちの外科医としてのスキルとキャリアを上げていきながら、一緒に高知の外科を盛り上げていきましょう。

Schedule専攻医の
1日のスケジュール

消化器外科 後期専攻医の一日
【(例)肝胆膵グループ】

※消化器外科には他に上部(食道・胃)、下部(大腸)があり、全体カンファレンスは乳腺外科、小児外科も一緒に行っています。
専攻医のコメント
● 全体カンファレンス
月、水、金の8:30からは他グループと合同でのカンファレンスです。
・術前患者の共有と、追加の検査や他の治療法がないか、科全体で再検討します。
・直近で手術をした患者の手術報告を行います。自分が執刀した手術の報告は緊張します…
・重症患者の報告を行います。夜間休日は科全体のオンコール当番(月4回ほど)があるので、ほかのグループの患者さんもしっかり把握しておく必要があります。
● 手術
火、木は大きな手術があります。8:30に患者さんと一緒に手術室に入ります。
開腹、腹腔鏡、ロボットでの肝切除や膵頭十二指腸切除が多いです。
いずれも大きな手術なので、搬出は早くても16時、大変な時は21時までかかるときもありました。
基本は第二助手ですが、指導医にやさしく教えてもらいながら、開腹・閉創や胆摘など、手術の一部をさせていただくことも多いです。
術後は少し休憩し、病棟の患者さんの回診や術後採血に異常や介入すべき値がないか、最後の力を振り絞ります。
月、水、金はヘルニアや胆摘など短めの手術があります。
最初から最後まで執刀できて元気に退院した時は、外科医になってよかったと思う瞬間です。
● 病棟
朝の隙間時間にグループだけのミニカンファを行い、大まかな方針を決めておきます。
時間が合えばみんなで、合わなければ一人で入院中の患者さんの回診を行い、上級医と相談しながら内服薬・点滴の調整、治療法を決めていきます。
● 肝胆膵カンファレンス
毎週水曜日に内科・放射線科と合同でのカンファレンスがあります。
内科からの手術の紹介や、外科からの術後患者の報告など、活発な議論が行われます。
● 感想
先輩方が皆さん穏やかで相談しやすく、カルテの使い方などの細かいことでも嫌な顔せずに教えてくださり、手術の技術的なこと、難しい病態の患者さんの治療の考え方もたくさん教えていただきました。非常に充実した研修でした。

坂本礼聡 2018年度(2019年)卒

2023年4月より高知大学医学部附属病院統合外科に入局いたしました専攻医の新納健人です。半年間大学病院で働き、現在は土佐市立土佐市民病院で外科医として働いています。
大学病院で消化器外科の分野で働いていましたが、現在は一般外科として働いており、消化器分野だけではなく、呼吸器、心臓血管外科の分野の手術にも執刀医あるいは助手として手術を行っています。
大学病院では、若手執刀数が管理されており、不公平なく執刀ができる環境が整っています。半年と短期間の大学病院での業務でしたが、数十例ほど執刀させていただきました。その経験もあり、現在、虫垂炎、鼠経ヘルニア、胆嚢炎などはすべて執刀させていただいています。
また、地域ならではの症例として蜂刺傷やハブ咬傷、草刈鎌による切創など季節によって症例は異なりますが、大学病院ではあまり経験のできない症例を経験することができることも地域の良さだと思います。
外科は忙しいことは多々ありますがその分やりがいがあり、先生方もやさしく、丁寧に教えてくださいます。働きやすい環境が整っておりますので、皆さんもぜひ統合外科へ。お待ちしております。

新納健人 2020年度(2021年)卒

消化器外科の前田将宏です。もともと手を動かす機会が多い科を考えており、クリクラで経験した消化器外科手術が魅力的で、自分もやってみたいと思ったため、消化器外科を志しました。
高知大学出身であったことや、地域枠であり、地域の病院へ行く際にも異動がしやすいこともあり、近森病院での初期臨床研修ののち高知大学外科学講座に入局しました。
学生時代や研修医の時にもお世話になっており、医局内の雰囲気がいいことも知っていたことも入局を決めるきっかけになりました。実際に働き始めてからも、学生時代からお世話になっている先生も多く働きやすい環境です。 入局後2年間大学病院で研修し、卒後5年目から幡多けんみん病院で研修を積み、卒後6年目に外科専門医を取得しました。7年目から高知大学病院で、大腸分野を中心に日々診療を行いながら研鑽を積んでおり、 消化器外科専門医や内視鏡技術認定医といったサブスペシャリティ資格の習得を目指しています。今後は腹腔鏡やロボットといった鏡視下手術をメインに大腸分野での診療を行い、自身の手技を向上させるとともに、後輩医師の指導にも取り組んでいきたいです。
進路を決めるにあたっては実際にその科での仕事を体験することが重要だと思います。意外な発見や楽しさがあるかもしれません。ぜひ外科学講座を選択肢として考えてみてください。

前田将宏 2016年度(2017年)卒

呼吸器外科 初期専攻医 
1週間のタイムスケジュール

専攻医のコメント
2023年4月より統合外科に入局し、まずは外科専門医を取得するために日々努力しています。
私は地域枠であり、3.5年間高知市南国市以外で勤務することを条件に学生時に奨学金をいただきました。私は若手の間に地域で働いて経験を積み、 その後大学に戻って呼吸器外科医として専門医への道を歩みたいと考えています。統合外科ではローテートに関しても十分相談に乗って下さり、現在希望通りに働くことができています。
また、統合外科には私と同じ地域枠の同期、先輩方が多数おられ、キャリアについて気軽に相談できる仲間がたくさんいるのも魅力の一つだと考えています。

坂井隆志 2020年度(2021年)卒

統合外科になり、外科専門医に必要な症例を経験しやすくなっていると思います。
また呼吸器外科では完全胸腔鏡下手術が多く、開胸手術を経験する機会は少ないですが、消化器外科と心臓血管外科を回ることで、開腹手術や、開胸手術を経験する事ができ、幅広く手術手技を学ぶことができるところも良いところだと思います。

古川直紀 2020年度(2021年)卒

心臓血管外科 後期専攻医
1年目スケジュール

専攻医のコメント
2021年4月に入局した坂本礼聡です。外科専攻医の研修期間として2023年12月から2024年の1月まで心臓血管外科で研修させていただきました。これまでの2年半は消化器外科に所属しておりましたので、初期研修の頃に使用していた心エコーや心臓カテーテルの本を引っ張り出すところから始め、心臓血管外科の術式や周術期管理についても一から勉強しました。実臨床では自分で勉強したことだけでは対応できないことも多々あり、指導医の先生方には大変なご迷惑をおかけしましたが、皆さん優しく助けていただきました。
手術では消化器外科との開腹・閉腹の違いや、糸・針の種類から異なり、術中ヘパリンを使用する影響や手術の特性からも凝固障害で止血に難渋することも多い中、様々な方法で止血していく面など、今後消化器外科を専攻するにあたって非常に参考になることばかりでした。
最後に、2ヶ月という短い期間でしたが指導していただいた心臓血管外科の先生方、大変お世話になりました。今後とも統合外科の一員としてよろしくお願いします。

坂本礼聡 2018年度(2019年)卒

● 心臓血管外科の修練
外科専攻医修練の一環として10-12月の3ヶ月間、心臓血管外科の一員として日々の診療に参加させて頂きました。
手術から術後管理まで今まで消化器外科で学んできたこととは異なることも多く、大変なことも多かったですが、先生方にはどこの外科に進んだとしても決して無駄にならない知識や手技を教えていただきました。
改めて自分が技術不足だと認識し、課題が多く見つかる内容の濃い3ヶ月間でした。私は消化器外科志望であるため今後心臓血管外科領域の手術に参加する機会はあまりないとは思いますが、 学んだ知識や技術は私の今後の医師人生の糧となると思います。今年度に入局したばかりであり前年の様子はわかりませんが、統合外科になったことにより他科での修練が3ヶ月間しっかり行えることは 専門医取得条件の手術件数を稼ぐだけでなく技術や知識を学ぶという面でとても良い制度だと思いました。
最後にお世話になった心臓血管外科の先生方、ご迷惑をたくさんおかけしたとは思いますがご指導ご鞭撻ありがとうございました。

荒木滉平 2020年度(2021年)卒

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